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文京区

文京区議会の近況(議長決め、給食費無償化条例案など)

こんにちは。26日午後に一日だけの区議会が開かれました。選挙後初の議会なので議長、副議長、委員会などを決めるためのものです。まず議長と副議長の選挙から。互選なので明示的な立候補表明はありません。ただ事前に出たいという声は聞いていて、最大会派の自民党以外からは希望者もいなかったということで全会一致でベテランの白石英行議員に決まりました。

副議長選挙は割れました。議長込み34人のうち公明党の田中香澄氏が17票、AGORA(立憲+無所属)の浅田保雄氏が11票、共産党の関川けさ子氏が6票を獲得し、田中氏が副議長に選任されました。

無記名投票なので本来は誰に入れたかわからないはずなのですが、ここまできれいに割れるとバレバレです。この結果には関係者一同少々驚いたようです。文京区議会で明確な区長派(与党会派?)とされているのは自民(10)公明(4)永久の会(3)の17人です。田中氏が獲得したのは同じく17票でした。共産党の6人は関川氏に、その他は浅川氏に投票したことになります。この選挙結果だけで構図が確定するということではないのですが、区長派になびく議員が全然いないというのは興味深く感じます。

その後、委員会の委員長、副委員長などの決定がありました。これは大会派を中心に事前に調整をしているので、それを確認するのみで速やかに決まりました。

さて、同日午前にはもう一つ重要な動きがありました。2月に否決された給食費無償化の議員提案条例案の6月定例会への再提出です。この条例案は今年10月から区立小中の給食を完全に無償化するもの。2月には賛成14反対18欠席1(議長は採決に加わらず)で否決されています。今回は提出会派が共産・AGORA・維新・都ファ(依田)・根っこ(ほかり)・子育て(たかはま)で合計すると16人です(実際には文教委員会の委員は提出者になれないので連名は12人)。議会の過半数は議長を除いた33人で計算するので17人です。あと1人足りませんが、可決・成立のため全力を尽くしたいと思います。

行政サービスについてはなんでも無償というわけにはいきませんが、「義務教育は無償」と憲法には書いてあります。昨今の食材費高騰の下でもなかなか給食費が上げられず給食の中身がどんどん貧相になっている現状もあります。ここは区がしっかり面倒を見ることが必要だと思います。学校施設などに回すべきとの声もありますが、両方やればいいと思っています。

給食費無償化は、4月の区議会議員選挙を経て賛同者が増えたとみていいと思います。2月議会での反対者が引退などで2人いなくなり、私や維新など賛成者が増えました。無償化は急ぐべきではないというのが区長や自公らの意見だったわけですが、彼らも万が一にも条例が可決されて面目丸つぶれになることを恐れて、手のひら返しに近い行動をとってきました。それが以下の要望書です。

「国が無償化すると言い出したが待っていられん。区独自でもやるべきだ」です。これまでは時期尚早と言ってきたのでわけがわかりませんが、とにかく自分たちも無償化賛成派であるというアピールです。

政治に詳しい人によると、こういう要望書は区側が何か大きな政策を打つ前に与党会派に出させて点数を稼がせてやるような使い方をすることもあるとのことです。私も先ほどの条例案を出すにあたり、与党会派の人からは「区長の所信表明を聞いてから動いた方がよかったのでは」などと言われました。つまり区長が自ら動くのかなと。とはいえ区が態度を変える保証はいまのところないわけですから、やはり条例案は出しておいてよかったのだと思います。

そんなわけで、ちょっとだけ文京区議会に新しい風が吹きつつある気がします。6月定例会に向けては、議会の委員会のインターネット中継を求める請願も出てくるはずです(現状は本会議の一部のみ)。同様の請願は4年前には採択されませんでした。こちらも私含めて賛同者が以前より増えていますので、採択に向けて努力したいと思います。